ついに未踏の地、佐賀県を観光してきた。
この旅は楽しみにしていた呼子のイカが大時化で船が出ずキャンセルになる悲劇から始まった。
浮いた時間を有効活用することもなく、無駄にゆっくり有田市の陶器を見たり、温泉に入ったりした。
温泉は武雄温泉。木造で天井が高く、上の方は組木の造りがあらわになっており、湯気が漂うと風情が湧く。事前知識無しで行ったのだが、個人的な温泉ランキングではかなり上位だ。
そんな爺のような日中を過ごし、夕方に波佐見町にある「oniwa」というご家族でやられている民宿にたどり着いた。
古民家をリノベーションされており、昔ながらの雰囲気がありつつ、お風呂は新しいなど快適。部屋にはストーブがあり、そこで燃やされる薪を使って料理されるなど、非常に面白い。そして夕飯は子どもお二人も含めてご家族と一緒に食べる珍しい経験ができた。ごはんはとても美味しく、オーナーご夫妻と子どもたちとのおしゃべりもとても心温まる素敵な経験で、大大大大大満足である。
おいしいごはん。
ヤギさんもいる。
さて、話は所在地である波佐見町に移る。
部屋をゆっくり見回っているときに、ふと一冊のフリーペーパーに目が止まった。webでも発見できた。これである。
波佐見町について、県境の小さな町なので教科書で見るような過疎エリアなのかな、という第一印象を持っていたが、このフリーペーパーを見て消え去った。
一読いただければ分かると思うが、尋常でない活気を感じる。愛ある地元ネタに溢れており、情報量も膨大。そして何より楽しみながら作ったことがびしびし伝わってくる。
ちなみに泊まった民宿も紹介されている。裏表紙の高級ブランドを模した駄菓子屋のおばちゃんの写真も洒落っ気が効いていてとても素敵。
オーナーさんに波佐見町の活気の理由を聞いてみると、「アート系の若い人が頑張っていることが大きいかも」とのこと。なるほど冊子のセンスといい、波佐見町のwebでのPRを見るに、たしかにそのことを感じる。教科書やニュースなどで過疎化の話をよく聞いていたが、波佐見のような活気のある自治体もあることを知れたのは良かった。希望はまだあるのだ。
翌朝。
朝ごはんも大変美味しくいただき、惜しみつつチェックアウト。その後は町内で波佐見焼を見漁った。偶然にも当日が町内駅伝の日のようで、道路でランナーらしき方々を見た。こんなところからも活気の良さがわかる。なお冊子に書いてあったのだが、波佐見町はほぼ毎月なにかしらのイベントをやっている。すごい。
旅の最後は新幹線で博多に移動し、ラーメンを食べて飛行機で帰宅。楽しい旅行だった。
(なお、後で気づいたのだが、波佐見町は長崎県であった。)