すぐ感想などを言葉にしようとしない方がいい経験というものがある。そんな経験をできることは人生でおそらくそんなに多くないんだと思う。そしてとても幸せな経験なんだと思う。
中国に入った初日に、そんな経験をした。
「言葉にしない方がいい」といいつつ書き始めてしまっているわけだが、ルールを尊重して深くは語らないようにする。
出来事だけ言えば、宿への終電を逃してその辺のおっちゃんのバイクタクシーに乗ったのだ。
何か事件が起きたわけではない。
サービスは普通だった。
100元払って30分ほど運転してくれた。至って普通の取引で、日本の感覚だと少しお得だなと思ったほどだ。
ただ、とても印象に残った。
移動で疲れ果てていた上に予想外の終電を逃すという危機的ともいえる状況で、その場の判断で(状況だけ見れば)怪しいおっちゃんのバイクの後ろに乗って、深夜の広州の高速道路を走るという経験。
あの夜景。疲れていたので細部などはすでに忘れかけているが、あの夜景を見た時のあの感情は忘れない気がする。