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【7/11④】深圳の名所『中国民族館』に“行かない”という選択と納得への過程

旅行
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次の宿のため深圳に移動。

今回は宿起点で動いたので、観光については「できたらいいなー」くらい。

調べると中国民俗館という、おそらく中国の文化のあれこれを学べるだろう施設があった。「色んな国の文化を見る」は旅のサブテーマの一つだったのでぜひ行きたい!と考えた。

ただ宿のチェックインまでの時間が本当に微妙だった。全く無理ではないけど、すっごい余裕なわけではない。

まあでもいけるだろ!ということで地下鉄に乗ろうとした。が、ここでトラブル。それまで全く問題なく機能していた電子決済アプリ、アリペイが地下鉄切符の購入を拒否しだした。

「は?お前広州では普通に動いてだろうがふざけんな」

またも「想いを込めてもう一度ボタンを押せばいける」という情弱ムーブを繰り出したものの、うんともすんとも言わないアリペイ。

「ちくしょう、有田鉄平みたいな名前しやがって。日本人全員が思ってるぞ」と憎まれ口が溢れる。

どうしようか考えたが、とりあえず昼飯を食べることにした。とにかく疲労はよくない。極力休む、無理しないをルールとしている。なんとなく疲れてる感じがしたし、お腹も空いていた。

ちなみに昼飯では普通にアリペイが使えた。なんなんコイツ?

昼飯を食べてる間、この後どうしようか考えた。まあ昼飯をのんびり食べている時点で民俗館に行く余裕はほぼ無くなりかけているので難しい選択ではなかった。

のんびりしようと決めた。なので今このお店で2時間くらい居座っている。コンセントもあるし。

選択をしたら、いかにその選択が微妙でもその正当性を自分で練り上げることができるのが、人間の強みだ。

今回はそもそもの予定がない旅なのだ。わざわざ自分で作った予定に縛られて、自分から窮屈になるなんて馬鹿げている。そしていかにもな観光地に行くなんて、逆張り芸人としては名折れじゃないか。沢木耕太郎さんもそんなことしてなかっただろう。

読書メモを病的なレベルでとっている私はここで小澤征爾さんのエッセイの一節も思い出した。ヨーロッパ留学中に現地の人の遊び方を見た時の話だ。

「スキーの遊び方も鷹揚である。午前中二時間も滑ると、昼はゆっくり昼寝をする。そして午後の三時ごろまたスキー場に出て、夕方まで二時間くらい滑るという具合である。日本でのように、スキー場に行けば、朝から日暮れまで握り飯を頬張りながらスキーをやっているような人は見かけない。それではレジャーに行くのだから疲れに行くのだか分からない。大いに見習うべきことだ。」

「日本人のように、メシ食うひまも忘れて遊びを楽しもうなどというケチな人間がいないことは、さっきも書いたとおりだった。」

よし決めた。ケチな人間にはならないぞ。宿の時間までのんびりしよう。

これからの旅程も無理なことはしないぞ。



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