スポンサーリンク

【7/18①】魔境ニューデリーの朝散歩、30分で敗走

旅行
スポンサーリンク

今朝は4:30に目覚めた。確実に何かが狂っている時間だ。

昨日の夜はインドの洗礼に打ちひしがれていたが、寝ると少し回復して朝は闘争心が高かった。なんだインドの野郎なめやがって、俺がびびっているように見えるのか?というテンションで、徒歩で観光地までいってやるよ、とかバザールで堂々と値切り交渉してやるよ、と思っていた。

しっかりネットでさまざまな予習をし、知識を装備して時間は9時。

ホテルを出る時に昨日のクソ商人がまたもや「日本人は一人で外に出ると格好の獲物だ!俺らのツアーを買ってくれればセーフティだ!」と、昨日と全く同じことを言ってきやがった。その時は極めて闘争心が高かったので、「それは分かってる。ただ最初は自分の足で歩いてどの程度危ないのか自分の目で確かめたい。これは俺のポリシーだ」と豪語したら、クソ商人は呆れ顔で黙った。はい、論破。

いざ出陣。

(ホテル前の路地。二度とこんな路地にあるようなホテルには泊まらない)

開始5秒で「日本人?コンニチハ」と話しかけてくる。はいはい来たな、と無視する。

二つ曲がり角を曲がると大通りになる。

ここからまずは観光地ラクシュミーナーラーヤン寺院を目指す。見たかったわけではない。歩ける距離にあっただけである。

 

歩く。話しかけられる。無視する。歩く話しかけられる。無視する。

何回話しかけられたか分からない。しつこく追跡してくる人もいれば、日本語で話しかける人もいれば、バイクで近づいてくる人もいれば、ちょっと狙いをこちらに定めて方向転換しつつも途中で止める人もいる。

常に気を張る必要があり、無視にも体力を使うため疲れが出だした。まだスタート10分もたっていない。しかもインドは蒸し暑い。緊張もあったせいか、今までではあり得ないほど、短時間で大量の汗が吹き出た。

しかも道がよく分からない。分からないから調べようと思うのだが、大通りでスマホで地図を見た日には大量のインド詐欺師に囲まれておじゃんである。

そこでスマホを開ける安全そうな場所を探すのだが、それもない。どの道、店にも何か企んでそうな人しかいない。

というかもう、そうにしか見えなくなってくるのだ。人が信じられない。全員自分を狙っているかのように錯覚してくる。これは本当に辛いことなんだと気づいた。中国だったらなんとなくその辺の人に聞けた。しかしインドではまだそこまでの慣れもなく、東アジア系とはまた異なる顔も相まって、集団で屯しているインド人は本当に不気味に見えて怖かった。ナンパされやすいような女性はこんな気持ちなのかな、辛いだろうな、なんて考えたりした。

なんとか駅を発見。改札横のスペースのキオスク的なところの横が安全そうだったので地図を確認した。しかし地図に書いてある道が発見できなった。今思えばおそらくちゃんと道はあったのだろうが、あの時はそんな余裕がなかった。「あ、無理だ諦めよう」と即決した。

寺院への徒歩観光は諦めたが、もう一つ散歩の目的がある。鉄道チケットの入手である。

朝に大きな決断をした。「今日ニューデリーを出る」というものだ。とにかくこの街をいち早く抜け出したかった。こんなに早く去りたいと思ったら街は初めてである。3泊分ニューデリーで宿を予約していたが全く関係ない。とにかくこの街を出ないとやばい、そんな思いだった。

ニューデリー発で、タージマハルのあるアグラ着のチケットを入手する、それが今日最大のタスクだった。アグラなら観光客ももっとたくさんいて、日本人も多いだろう。インドとはいえ、少なくともこのカオスすぎるニューデリーよりはずっと心休まるに違いない。

駅では外国人窓口を探していた。外国人はそこでの方が買いやすいという情報をネットで読んでいた。そこでまた話しかけられる。

「外国人窓口は閉鎖してあっちになったよ」とおじいが話しかけてきた。求めているものではあり、自力で発見できてなかったので、警戒心を最大限出しながら話を聞いてみた。もう既に正常な判断はできなくなっているので、言ってることが全く信用できなかった。失礼と分かりつつも、近くの駅員にも同じことを聞くとたしかにそうだという。よく見るとそういう張り紙もあった。

「だから言ったろう」とおじいは言った。

その後もおじいは道を案内してくれたが、やっぱりどこか信用ならない。本当の親切なのか、何か企んでいるのかが読めないのだ。この時ほど「疑心暗鬼」という言葉を実感したことはない。

疑心暗鬼状態の時の話の聞き方は今思うと失礼極まりないと思う。その人を見ない、あさっての方向を見て適当な相槌を打つ。いつもやっているコミュニケーションの真逆をやっていた。

結局、話の途中で耐えられなくなり、おじいを置いてOK OKとてきとうなことを言って逃げた。

もう誰も信じられない。この街は終わりだ。北斗の拳の世紀末は本当に地獄なんだろうなと思いながら、何もできずにホテルに帰還した。見事な敗走である。このあとどうしよう。



旅行
スポンサーリンク
frogall8をフォローする
スポンサーリンク
Marvelous Cross
タイトルとURLをコピーしました