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【7/18②】ニューデリーに降りる蜘蛛の糸一本

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ニューデリーから脱出しないと少なくともメンタルを病む、どうにかしてどうにかしないとやばい。

ホテルに避難したのはいいものの時間は10時。チェックアウトまで1時間しかなく、11時をすぎるとまたあの修羅の街に放り出される。時間が迫っている時にやることが決まってない時のストレスは尋常ではない。

必死に次の策を考えたが効果的なものは思いつかない。とりあえず次の宿に行こう。チェックイン時間前だけど、とりあえず屋内に避難したい。

10時55分。あと5分で出るとなった時、昨日たくさんおしゃべりした同室のキールタンから連絡があった。下に来てくれという。

チェックアウトを終えホテルを出るとキールタンがいた。キールタンの出身はインド、恰幅が良く、目が澄んでいる。昨日話した段階で、この人は菩薩のような人だという印象を持っていた。衆生を救ってくれる。今日も死にそうな顔で部屋に戻った時、「どうしたの?」とすぐに聞いてくれた。

そんなキールタンは韓国出身の若者と引き合わせてくれた。「この子たちが今日アグラ行くらしくて、そこの商会を通してチケット取ったらしいから聞くといいよ」と言ってくれた。

韓国若者は顔の雰囲気がクラスに1人はいるようなお調子者の顔で、この人は安心できるという印象を与えた。イメージが近いので「はまじ」とここではあだ名したい。

はまじはこっちが日本人だと分かると、かなり流暢な日本語で話しかけてきた。何でも日本のアニメが大好きで勉強したという。銀魂が好きという話をしていると、アニメopの『サムライハート』を歌い出した。知ってある歌だったので私も歌った。日本にも行ったことがあるといいカメラロールを見せてくれると、そこにドンキホーテのペンギン画像を発見した。今度はドンキホーテの歌を2人で合唱した。ニューデリーの路地にサムライハートとドンキホーテの歌が響く。日本の歌を歌って少し元気が回復した。

はまじにチケット話を聞いてみると、近くにあるナビン商会という店が韓国で有名な仲介屋らしい。なんでもYouTuber御用達の店のようで、安心という。

 

ナビン商会のロヒと話すことになった。とにかくニューデリーを出たいんだというと、「心配しなくていい。チケットをとってやる。あとアグラとジャイプールも行きたいだろう。全て手配してやる」と言った。

信頼できるだろうか。信頼の仕方を忘れてしまった私は考える。

ただ話しているうちに、ロヒはパートナーが日本人だということを言った。スマホの画面も自分の子どもで、右腕のタトゥーに子供の名前が彫ってあった。パートナーは岡山に住んでいて、カレーのカフェをやっていてそのインスタ画面ややりとりを見せてくれた。

ここまでやってて信用させるためのフェイクだとしたら、もはや拍手を送りたい。加えてはまじのお墨付き、部屋に韓国人YouTuberらしき人の写真、さらに値段も昨日ホテルのクソ商人が提案していたものより安かったなどの理由を総合的に勘案し、プロフェッショナルジャッジメントによってロヒ提案ツアーの購入を決めた。

このあと謎の請求をされる可能性もあるが、それも受け入れた。「騙されたくない」という前提でいることがもはやこの国では不健全なのかもしれない、そう思い始めてきているインド2日目である。現在の2〜3倍くらい追加で請求されるリスクも心で準備しておけば、精神的ダメージは小さい。

 

ロヒの提案してくれたツアーはニューデリー→ジャイプール→アグラ→バラナシというコースだった。最後以外の移動は専属のドライバーがついた車移動、最後はバスの手配をしてくれるという。

ニューデリーが嫌すぎて観光地を一切見ずに、出国空港のあるバラナシまで行こうと思っていたところタージマハルがあるアグラなども寄れそうだ。車移動でラクなのも大きい。昨日ホテルのクソ商人に商談されたことも、相場感覚の一つを身につけられる価値があったのだ、このことだけにはホテルのクソ商人には感謝する。

自分は運が良いと常々思っているが、正直この時ほど、自分の豪運を思ったことはない。前世で何をしたのだろうか。

ドライバーはロヒとはまた別の人で、サヌーといった。サヌーとの3日間の車旅が始まる。

 



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