イスタンブールには美術館がたくさんある。トプカプ宮殿美術館や、トルコ・イスラム美術館などが有名だが、調べてみるとちょっと高い。リラの暴落やインフレなどのごちゃごちゃの影響で3000円くらいするらしい。
ホテルの朝食で雑談した女性と話した時、美術館に行ったけど1時間くらいで出てしまったという話を聞いた。「クラウン、セイムクラウン、セイムクラウン、セイムクラウン」と言っていて、おそらく自分も同じ感想になるだろうなと思ったので行かないことにした。
そこで、代わりに行ったのがペラ・ミュージアムというところだ。多分マイナーだと思う。こちら、お値段500円。最高だ。
大きな橋を渡り、1時間ほど歩いて到着。見たいと思っていた、カメを調教するおじちゃんの絵を無事みることができた。カメの調教なんてどこの文化なのか知らないが、見たことないテーマだったので面白かった。
それだけ見られれば十分かなと思っていたのだが、偶然やっていた特別展示に想像以上にはまった。
度量衡をテーマにした展示をやっていた。度量衡てニッチすぎる、と思いつつ、そういえばここはイスタンブール。ギリシャとかエジプトに近く、世界史でも名前がたくさん出てきた都市。
エジプト文明の、秤に心臓乗せてどっちかに傾けば裁かれてどっちかに傾けば天国に行けるみたいな、世界史の資料集に載っていような話からはじまり、基準となる重さを守ることは公正さや秩序みたいな概念に紐づけられるようになったとか、その公正さの象徴としてお守りの形が皇后のものとなったみたいな説明もあった。
この分銅入った箱、小学校の理科の授業以来の再会。
自分の体重を、昔の重さに換算してくれる装置。
もともとこういう謎展示は好きで、以前は小倉にあるトイレのTOTO記念館で3時間くらいいたこともある。ちなみにこちらも入場料無料。ウォシュレットの知識が異常に身についた。
お金をケチると予想外の面白い出会いをすることがある。「都市名 穴場」で調べると、そういうニッチなところを発見できるので興味がある人にはおすすめだ。
結局トルコはイスタンブールだけで、カッパドキアも行かないことにしてしまった。ニッチを攻めすぎて大所を見ないという逆張りムーブには少し後ろめたさがあったが、そこは「カッパドキアとかアヤソフィアは、今度妻とか友達とかと行く時用にとっておこう」という考えで納得することにしている。