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【8/7②】ウィーンでオーケストラを聴く

旅行
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ウィーンといえば?と聞くと様々な答えが返ってくると思うが、やはり「音楽」という答えが一番多いのではないだろうか。

そんなウィーンでオーケストラを聞くことにした。演目はこちら。

 

ドイツ語で分からなかったので翻訳をしよとした。Google翻訳だと音楽情報が入ってなくて微妙になるのでは?と思ったので、旅行中全く使用せずサブスク料金を垂れ流してしまっていたchatGPTに翻訳を頼んだ。

 

10番の「俺は鳥刺し」が気になってしょうがなかった。わさび醤油でもつけるのだろうか。

アイネ・クライネ・ナハトムジークやトルコ行進曲など、適度に聴いたことがある曲があり初心者でも楽しめそうな構成だと感じた。

 

いざ、コンサートホールに入館。ドレス姿の女性もたくさんおり、下ジャージ、上はユニクロのロンT一枚で来たのがすこし恥ずかしかった。が、男性は大体似たり寄ったりだった。比較的カジュアルなコンサートのようである。

プログラムを眺めるに、前半はモーツァルト、後半はヨハン・シュトラウスという構成のようだ。

モーツァルトと言えば、好きなエッセイがある。小林秀雄のモーツァルトを論じたエッセイだ。

小林秀雄といえば私付近の世代では有名な、あの悪問と名高い2013年のセンター国語現代文の評論『鍔』の作者である。高校生の時には「難しすぎわろた」以外の感情が湧かなかった小林秀雄であるが、受験という枠から解放されて読むと結構好きだった。

モーツァルトのエッセイは彼の代表作と言っていい。

「モオツァルトのかなしさは疾走する。涙は追いつけない。涙の裡に玩弄するには美しすぎる。」

「空の青さや海の匂いのように、万葉の歌人が、その使用法をよく知っていた「かなし」という言葉のようにかなしい。こんなアレグロを書いた音楽家は、モオツァルトの後にも先にもない。まるで歌声のように、低音部のない彼の短い生涯を駆け抜ける。彼は焦ってもいないし急いでもいない。彼の足取りは正確で健康である。彼は手ぶらで、裸で、余計な重荷を引摺っていないだけだ。彼は悲しんではいない。ただ孤独なだけだ。孤独は、至極当たり前な、ありのままの命であり、でっち上げた孤独に伴う嘲笑や皮肉の影さえない。」

このあたりの文章がとてもかっこよく思い、メモに残していた。

そんなことを思い出しながら、モーツァルトを聴いていた。

 

「モオツァルトの単純で真実な音楽は、僕らの音楽鑑賞上の大きな試金石であると言える。」

「一と度この内的な感覚を呼び覚まされ、魂のゆらぐのを覚えた者は、もうモオツァルトを離れられぬ。」

小林秀雄はこうも言った。知識と経験の絶対的な不足からここまでの鑑賞はできなかったが、いつかもっと味わえるようになりたいと思った。

 

さて、最後はヨハン・シュトラウスである。皆さんはこの名前を聞いたことがあるだろうか?

私はこの名前が、国語の教科書に載っていた谷川俊太郎の「生きる」という詩の一節に出ていることをなぜか覚えていた。

改めて全文を載せたい。

—————

生きる
谷川俊太郎

生きているということ
いま生きているということ
それはのどがかわくということ
木もれ陽がまぶしいということ
ふっと或るメロディを思い出すということ
くしゃみすること
あなたと手をつなぐこと

生きているということ
いま生きているということ
それはミニスカート
それはプラネタリウム
それはヨハン・シュトラウス
それはピカソ
それはアルプス
すべての美しいものに出会うということ
そして
かくされた悪を注意深くこばむこと

生きているということ
いま生きているということ
泣けるということ
笑えるということ
怒れるということ
自由ということ

生きているということ
いま生きているということ
いま遠くで犬が吠えるということ
いま地球が廻っているということ
いまどこかで産声があがるということ
いまどこかで兵士が傷つくということ
いまぶらんこがゆれているということ
いまいまが過ぎてゆくこと

生きているということ
いま生きているということ
鳥ははばたくということ
海はとどろくということ
かたつむりははうということ
人は愛するということ
あなたの手のぬくみ
いのちということ

—————

「ヨハン・シュトラウスって誰だ?」と当然の疑問を小学生の時に思ったのが印象に残った理由だろう。

ちょうど今朝読んだ本によると、ヨハン・シュトラウスは当時ウィーンでは「もう1人の皇帝」と呼ばれるほどの絶大な人気があったようだ。ワルツが有名らしい。昨日散歩した時に、確かに公園にヨハン・シュトラウスの立派な像が建てられていて、なぜこんなにフィーチャーされているの?という疑問を持ったがこれにて解決した。

 

ヨハン・シュトラウスは「美しき青きドナウ」と「ラデツキー行進曲」の2曲が演奏された。

どちらも聞けば聞いたことのある曲だった。美しき青きドナウは、たしかに川のような雄大な感じだーとしょぼい感想をもった。ラデツキー行進曲では、盛り上がりポイントで指揮者がこっちを向いて拍手を促して、お客さん全体で拍手するのが楽しかった。

コンサートは2時間で終了。味わい切れてないんだろうなという想いが強いので、また機会がある時に積極的に聴いていきたい。

 



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