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【8/22①】オスロ近郊の湖

旅行
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物語には波が必要で、昨日の雨はそれでいうところの下の方だったのかもしれない。

今日はオスロ近郊の湖で軽いハイキングをする予定だった。

雨が続くといやだなと思っていたが、天気予報では午後から晴れるとある。午前は昨日同様のしとしと雨が降っていて大丈夫かなと不安だったが、ハイキング予定時間ぴったりに晴れ始めた。

旅における雨の後の晴天の喜びはひとしおだ。この旅の脚本家がいるのなら何とか賞を授与したい。

オスロから電車で、20分ほどの「sogなんとか湖」に来た。何回も名前を見たのだが、何回見ても覚えられない。

 

駅に着いた瞬間から空気が美味しかった。晴天で、自然で、人も少なく静かで心地よい。これ以上ないくらい心地よく感じた。このような場所から首都から20分というのがすごい。例えるなら東京から20分で上高地に行けて、なぜか上高地に観光客が少ないという状況だ。

歩く。風が気持ちいい。

 

ちょうど良い量の雲が浮いているのもよい。雲がないのも味気ない。なんだか清少納言気分だ。「雲量は2ほどがよろひ」。をかしをかし。

 

カモも気持ちよさそうに泳いでいる。

 

近くに牛も飼われていた。その辺の草をあげたら食べていた。「牛タンだ〜」と思っていると手を舐められた。

 

北欧の至る所にいる白鳥とカモの間みたいな鳥、「ブランタ」。名前を覚えた。

 

かささぎ。絵画知識をひけらかすという恥ずかしいムーブを恥ずかしげもなくさせていただくと、かささぎはブリューゲルの絵でしか見たことがなかった(高度で複雑なドヤ顔)。青と白のカラーリングが美で、飛び方も優雅だった。これでかささぎじゃなかったら面白い。

 

上裸ランナー。追い抜かれたと思った10分後にすれ違ったので、どこかで切り返したのだろう。どうでもいい推測で恐縮だ。この湖は道も整備されているのでランナーがとても多い。影響されやすいので、その場で東京マラソンに申し込んでみた。当たれ。

ちなみに穏やかな国にはランナーが多い。インドでは1人のランナーも見ていない。

 

少し疲れたので、ベンチに座って湖を静かに眺める。

ここに限らず、北欧は座るところが多い。本当に1割くらいしか使われてないので、無駄じゃない?と思ってしまうのだが、それはせわしない日本での生活が、それを当たり前と思わせているのかもしれない(安易に日本ディスをする「海外かぶれ」感を抑えるために「かもしれない」に留めておくが、絶対そうだ絶対)。このくらいの余裕があるのは素敵だ。

湖なので波も少ない。静かな湖面を静かに眺める。

風が木の葉を揺らす音しか聞こえない。ちなみにこの音は「葉擦れ」というらしい。好きすぎて以前に調べたのだ。

ふと思い返すとこの北欧の旅では海や湖など、水面を眺めていることが多い。何か生産的なことを考えているわけでもなく、ただ見ている。

時間が飛んで恐縮だが、今これを書いているのはハイキングの数日後だ。特に考えずに書き進めているので日記の着地をどうしようかなと思ってたらたら書き進めていたが、ここまで書いて、湖を歩いている時に書いたメモを思い出した。

唐突だがこのメモでこの日記を締めたい。幸せな時間、空間だった。

「何も思わなくても幸せ。ただ存在するだけで幸せという空間というものがある。」



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