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【8/26③】ブリュッセルにこだまする関西弁

旅行
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ブリュッセルのホステルはきれいだった。まあ高いのだが。1泊5000円。オスロやアムステルダム同様、ベルギーも物価が高い。

広々とした共有スペース。センスの良さげなBGM、照明。食器が使い放題、レンジ使い放題など、ホステルとしてパーフェクトだ。

 

朝オランダの片田舎の安スーパーで購入したブロッコリーポテトミートボール弁当(?)をベルギーに密輸していた。これでブリュッセル夕飯は実質無料だ、しめしめと思いながら、共有スペースで食べていた時のことだった。

 

「やねんな〜」

 

やねんなが聞こえてきた。

顔を上げると親子のような女性2人が少し前の机で夕飯を食べている。

声をかけようか少し悩んだ。旅で色んなコミュニケーションを経験したとはいえ、ベースは小心者。

「日本人ですか?」から続く複数の会話パターンを想定し、会話が終わる場合は自然に離脱できるよう全ての荷物を整えた上で「帰り際に少し話しかけてみました」というスタンスを準備した上で、意を決して話しかけてみた。

お母様と思われる方はとっても気さくに「えー日本人!座って座って!」と着席を促してくれた。これで最悪のケース「あ、はい。日本人ですけど…」で会話が終了することを回避できてホッとした。

話を聞いていくと、どうやら親子ではなく友達だという。年は親と子ほど離れていたので「その年齢差で友達はマジでエモいですな」と伝えた。スポーツ整体師と、そこに高校生の時から通っている子のペアで、先生がヨーロッパ旅行行くといったらついてきたらしい。素晴らしいフットワークだ。

兵庫の加古川出身とのことで、加古川姉妹と称したい。

この加古川姉さんがすごい。ザ・ザ・関西人だ。

関西人の理解が甘いので本場の人々には怒られてしまうかもしれないが、とにかく弾丸トーク、小気味良い小話を関西弁で次々叩き込んでくる。ブリュッセルで「新快速は米原から赤穂までいけてマジで便利だ。新幹線いらん。」「加古川はぎりぎり姫路ナンバーになる。姫路はやんちゃだから不服、うちらも神戸ナンバーが良かったわ」という超ローカルな話を聞くとは夢にも思わなかった。

関西人イメージに沿ったことがもう一つ。加古川姉さんは色んなものをくれた。加古川姉さんも1週間前くらいにスペインに行っていたらしく、自分もこと後スペインに行くことを伝えると「バルセロナのSuicaみたいなやつ要る〜?絶対持っても使わんねんな、探すわ。ないわ、ちょっと部屋から持ってくるから待ってて。その間話し繋いどいてなよろしく〜」と加古川妹に話をぶん投げて部屋に戻ってしまった。

加古川妹さんは関西人なのに(とても失礼)、非常にバランスが良く、「先生すごいですね」という話で盛り上がった。

結局バルセロナと、2時間だけ寄るパリの公共交通機関用カードをいただいた。(しかも次の日も朝も、共有スペースで1人で日記を書いていると、「おはようございます〜甘いもの好き?」と言いながら、ブルーベリーのフルーチェを恵んでくれた。)

 

 

時間は21時を回っている。

「グラン・プラスのライトアップ見に行きますけど、一緒に来ます?」と誘ってくれたのでご一緒した。

真っ暗だった。意外と真っ暗なヨーロッパを歩くのは初めてだったかもしれない。建物が白いので、夜の黒がとても綺麗だった。

目的地に着くまでも姉さんは全開だった。

バルセロナのお店で20代スタッフがクレカをうまく使えずお会計に時間がかかって「ちゃうねん!ちゃうねん!裏やねん!裏でインサートせぇって!なんで同じやり方でやろうとするねん!違う方法で試すやろ普通!ちゃうねーん!」というお手本のような関西弁がブリュッセルの街に響き渡る。

「ちゃうねーん!」はマジで響いていた。

関西弁と夜のブリュッセルは奇跡のマリアージュを奏で、私の記憶に強く刻まれた。



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