意を決してバーに行ってみた。ウィーンでの目標の一つであり、人とコミュニケーションを取らねばという真面目な思いからだ。
しかし見て欲しい。マスターは外に行ってしまってカウンターの向こうにおらず、隣にお客さんもいない。ぼっちだ。
まあでもバーは1人で飲むのが基本、話が生まれたらラッキーくらいに考えるのがいいのだろう。自分をそう慰めて、ビールとウイスキーを1杯ずつ頂いてちゃんと酔った。
酔ったついでに少し語らせて欲しい。
この旅を経て絶対したくないことがある。自分が変わることだ。逆に言うと、自分の根本、信念のようなものは絶対に変えないという強い覚悟がある。
反面教師としているのは、「インド行って人生変わったわ〜」のようなことである。
大学生ならまだ分かる。が、自分はもう28歳で、社会人も6年だけだが経験している。一定程度自分というものを持っているつもりだ。
この28年が、たった2ヶ月の海外経験なんかで変わるなんて、何というか”イヤ”だ。もっと直接的に言おう。ダサいと思う。そんなぶれやすい28年を生きてきたつもりは微塵もない。
もちろん旅行中に色んな経験をして、色んな考えを持つことはある。それはいい。が、根本がぶれるのはナシだ。
理想的には、帰国後に「全然変わってないね」と言われたい。
ただ、結果的な発言や行動などの「出力」は変わらなくても、それに至る考え方などがより複雑になっていたら良いなと思う。その変化は自分にしか分からない。そんな変わり方を目指したい。