夜行バスは旅情を掻き立てる。
この旅で初の夜行バスで、プラハからポーランドのクラクフに移動する。
少し酔っている。
バスに乗る前、宿で同室だった日本人の大学生と1時間ほど飲んでいた。
やはり1人で海外を旅をするような人はどことなく性格が似ている。人の言いなりになるのが嫌い。と同時に、自分を貫いても周りに清々しさを与えるような、さらっとした人に会うことが多い。
ビールと、ジントニックを飲んだ。アルコールの入った状態で夜行バスから見る夜景。
開始10分だが、すでにいびきをたてている人がいる。幸せな人だ。
運良く隣の人がおらず、しかも窓側、運がいい。あぐらをかける。
窓の向こうで手を振って笑顔で見送る男性がいる。
道に人通りはもうほとんどない。
23時。
バスが暗くなる。USBポートが青く光っている。
バス内Wi-Fiは通じない。ふざけるな。
高速道路に入った。
まだ眠くない。眠くなるまで、窓の景色を眺められる自由があるということ。
夜行バスには何歳まで乗れるだろうか。
この旅情は独特だ。