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【8/12②】学び:朝カフェで重い映画を見てはいけない

旅行
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夜行バスを使い、ポーランドのクラクフというところに着いた。アウシュビッツ収容所に近い街だ。アウシュビッツ自体は明日行くので、今日は街でぶらぶらするだけの最高の日だ。

せっかくの一人旅なので、人との旅行だとしにくいことをしようと思って日々を過ごしている。

今回はアウシュビッツに関連させて、「映画『シンドラーのリスト』を観る」、「アウシュビッツ関連の本を一冊読む」という目標を立てた。この時間の使い方は1人じゃないと厳しい。しかし真面目この上ない。

映画も本も、前日にAmazonで準備しておいた。便利な時代だ。これらをポーランド滞在中に観る、読む。

バスを降りた後、朝からやっているカフェにお邪魔した。まだ朝の7時だ。

こちらの名前が立川っぽいカフェ、とても落ち着いていておしゃれ。音楽のセンスも好き。カプチーノを購入した。店員さんはトントントンと、丁寧にコーヒー粉を整えて作ってくれる。

ホテルのチェックインにも早く、行こうと思っていた場所のオープンにも早いので、しばらく時間を潰す必要があった。

ここでシンドラーのリストを少し見ることにした。というのもこの映画、3時間ある。暇とはいえぶっ通しで見るのは少々骨が折れると思ったのだ。

シンドラーのリストは実は2年ほど前に一回観たことがあった。本当にぴったり2年前かもと思って見てみると、2022年8月4日だった。惜しい。

少し話は逸れるが、なぜこんな正確な日付が分かるかというと、ちょうどこの時期から「日々のイベントを全てスプシに記録する」という謎習慣が始まったからである。界隈では有名な話だ。

このスプシにはそのイベントが満足度指数も合わせて記録されているのが、シンドラーのリストは堂々の10点満点が付けられていた。10点満点はなかなか出ず、映像作品ではさらに珍しい。最近では『響け!ユーフォニアム第3期』11話が10点を取っていた。

話は逸れたが、要はシンドラーのリストが大好きなのだ。

また話を逸らすが、好きすぎて実はスケートでも2分のプログラムを作っている。作中に「指輪をはめる」という象徴的なシーンがあり、それをオマージュした振り付けを冒頭に入れたのだが、妻に「冒頭の振り付け、性的な意味合いを持つように見えるからやめた方がいい」と言われて悲しくなった思い出がある。ジェスチャーとは難しい。

いい加減本筋に戻ろう。朝カフェで、そんな大好きなシンドラーのリストを見始めた。しかも、実はこのクラクフこそがシンドラーのリストの舞台なのだ。作中の工場が、今も博物館として市内に残されている。

朝カフェ。大好きな映画。しかもその舞台の地で。ロイヤルストレートフラッシュだ。うきうきで見始めた。

最高だったという記憶だけあったが、細部は覚えてなかった。小一時間ほど見て思ったのは「ショッキングすぎてとても朝から小洒落たカフェで見るもんじゃない」ということだ。

普通に気分が沈んだ。

こんなに過酷だったっけ?

気分が沈んだこで冒頭1時間ほどで切り上げてカフェを出た。カフェの空気と全くマッチしていない。

 

天気は快晴で、首都ではないクラクフの朝は平和で静か。凄惨なシーンを観た後だったので、「こんなに平和になって本当に良かった…」と心から思った。

よせばいいのに、その後公園のベンチで準備していた本『新版 ナチズムとユダヤ人 アイヒマンの人間像』を少し読んだ。戦後の裁判の証人喚問や犯人尋問をまとめた本なので、こちらもしっかりリアルで、しっかり過酷な内容だった。

映像でも、文字でも過酷なものに触れ、なんだかとてもdepressedという感じだ。やりすぎはよくない。



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