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どうすれば技を習得できるのか 『習得への情熱―チェスから武術へ―:上達するための、僕の意識的学習』(著:ジョッシュ・ウェイツキン)

スケート
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こんにちは。ヤングチャンピオン・カエルです。

今日は僕が大学時代に読んだ、
『習得への情熱―チェスから武術へ―:上達するための、僕の意識的学習』(著:ジョッシュ・ウェイツキン)
という本をご紹介します。

かつてチェスの“神童”と呼ばれ、長じて卓越した武術家(太極拳推手の世界選手権覇者にして、黒帯の柔術家)となった著者が、トップクラスの競技者になるためのart of learning(習得の技法)を語る。技能を倦まず開墾し続け、競技者としては千人に一人、あるいはそれ以上の領域を目指す、「超」能動的な学習術である。

優れた競技者になるための内的技法は競技の種類によらず驚くほど共通していると著者は言う。「インスピレーションを得るための公式や型紙は存在しない。だけど、それを得る自分なりの方法を発見するために辿るべきプロセスならある」(第18章)という表現に象徴されるように、鍵となるプロセスを意識的に辿ることが、より高い集中力、より高いパフォーマンスレベルでの学習につながっていく。チェスを武術に、武術をチェスに翻訳できるこの著者ならではの離れ業を用いて、「数を忘れるための数」「より小さな円を描く」「引き金を構築する」といった上達の足掛かりとなるプロセスが、印象深く描出されている。

著者が他ジャンルのトップアスリートやそのメンタル・トレーナーから授けられた洞察も、ここには注がれている。本書が提示する学びへの開かれたアプローチ、学ぶ喜びについての衒いのない、ひたむきな語りは、読む者に自らの可能性を顧みさせる力をもっている。

(裏表紙より)

大学時代の僕は数えるほどしかまともな読書をしていない人間でしたが、

「習得への情熱?これ読めばダブルルッツ跳べるようになるのでは?」
「経歴www(チェス世界一から太極拳世界一)」
「チェス出身アスリートの”意識的学習法”とかすごい理に適ってそうだし読むしかない」

と思って本屋で偶然目にしたこの本を即購入してしまいました。

特にスポーツをやっている人に強くお勧めできる本です。

 

僕がこの本を読んで学んだことは、大きく次の3つです。

①日々の練習の中で「どうすればできるようになるのか」を考え続ける重要性
著者はチェス出身という背景もあり、技術習得のプロセスを「超」戦略的に考えています。これほどまで考えながらスポーツをしているのかと驚くばかりでした。

僕なんかは疲れてくると「できた!楽しい!」「できない!むかつく!」というように快・不快だけで練習することが多かったので、そうではいけんなと気付かされた部分です。

 

②本番の臨み方
なぜ僕たちは練習を頑張るのでしょうか。勿論「新しい技を習得するため」という目的は外せませんが、もう一歩進んだ目的として、その習得した技術を「本番で発揮する」こともあると思います。

本番はとても緊張するし、失敗したら嫌だなという不安も感じるものですが、そういったプレッシャーのかかる本番で実力を発揮できた時ほど自分の成長を実感できる瞬間はなく、これこそがスポーツの醍醐味です。働いてみても、責任やプレッシャーの多い仕事の方が大変ながらも得られるものが多いです。そういう意味で、僕は「本番」を非常に重要なものと考えています。

本番で実力を発揮するには、「本番頑張る!」だけでは当然不十分で、調子をどうやって本番に合わせるか、どのような練習をしていくか、本番中のメンタルなど、色々なことを考える必要があります。

この本ではチェスでの試合、太極拳の試合と膨大な本番を経験してきた著者が考える「本番の臨み方」のヒントがちりばめられていて、とっっても参考になります。

本番が苦手・・・という方に強くお勧めです。

 

③スポーツをする意味
僕は大学1年生から大学の部活でフィギュアスケートを始めたのですが、時にふと
「こんなにスケートの練習をして何になるのだろう」
と思うことがありました。同じように感じたことのある人は結構多いのではないかと思います。

スケールはずっと大きいですが、この本でも似たような疑問が提起されています。
「競技の世界においてトップの座に立てるのはほんの一握りなのに、すべてをかけてまで挑戦する意義が本当にあるのだろうか」
この疑問に対して、著者は
・さまざまな異なった分野で探究した内容同士を関連付けられる能力
・日々のプロセスを楽しむこと
がカギを握ると述べています。

スケートをどっぷり練習したとしても、そこで得られた練習のやり方や本番への臨み方などの技術は他でもまあまあ役に立つだろう。そして結局、練習して技ができるようになったり、練習中友達としゃべったりすること自体が楽しいし、もうそれで理由は十分なんじゃないかと思えるようになりました。

 

【まとめ】
本書は「意識的学習法」とありますが、習得のためのノウハウが逐一語られているわけではありません。チェスと太極拳を追究した著者の濃密な学習経験が自伝的に語られ、そこから学習のための多くのヒントを読み取ることができます。
個人的に著者の達観した仙人様のような語り口調が大好きでした。

 



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