こんにちは。ヤングチャンピオン・カエルです。
本日紹介する演技は
バンクーバーオリンピック男子ショート、
エヴァン・ライサチェク『火の鳥』です。
ライサチェクの特徴はなんといっても身長。その身長188cm。でかい。
ライサチェクは3Aまでしか跳ばなかったのですが、4回転に成功したプルシェンコをも上回り見事金メダルを獲得しました。
「ライサチェクの火の鳥は音楽解釈が間違っている」
「4回転飛んでないのにプルシェンコに勝ってる意味が分からない」
とyoutubeコメント欄で散々ディスられてて悲しくなったのですが、
めっちゃいい演技です。
演技はこちら。
動画が長いですが画質はこっちの方がいいのでおすすめです。3:45:00からライサチェクです。
Men’s Figure Skating – Short Program Full Event – Vancouver 2010 Winter Olympics
圧巻のステップ
早速1番の推しポイントを紹介すると、1:40からのステップの音ハメです。
ポイントとなる「キュイィン!!」の音に合わせて、
首が取れるんじゃね?
ってくらいのキレで首を使っています。
動画元:Men’s Figure Skating – Short Program Full Event – Vancouver 2010 Winter Olympics
その身長と漆黒の衣装とキレキレの動きで、某アンサイクロペディアでは
「火の鳥というよりは、黒いプテラノドンと言った方がシックリくる」
とまで言われています。
単純人間なのでこういうシンプルな音ハメが大好きです。
ライサチェックに憧れてやってみると本気で首を痛めるので、やりたい人は首の筋肉を鍛えてからやることをお勧めします。
余談ですが首を巧く使っているスケーターって超かっこいいですよね。
言うまでもなく高橋大輔選手が最高です。eyeが大好きです。
ジャンプが素晴らしい
そしてジャンプが全て完璧です。流れのあるジャンプで見ててとっても気持ちいいです。
4回転を飛ばずに優勝したことで採点方法などについて非常にガヤガヤしたのがバンクーバーオリンピックのようでしたが、
僕は
今その人が飛べるジャンプを「オリンピック」という地球一の舞台でしっかり降りる
姿というのは、アスリートの姿として大好きです。
ジュベール好き人間なので4回転バーン!指差しドーン!も好きなのですが、
戦略的に最も勝率が高くなる構成でオリンピックに臨み、見事計画通り優勝するクレバーな姿はかっこいいです。
実際に2位のプルシェンコとは演技構成点は全くの同点で、GOEと基礎点の差でライサチェクが勝っています。
跳べる人の葛藤
知らなかったのですが、ライサチェクも実は試合で4回転を決めているそうです。
難度を落とすというのは一見簡単なことに思えるのですが、
「挑戦しないで逃げていいのか」というプライドの問題と
「難度を落とすからには絶対ミスしてはいけない」というプレッシャーの問題
があり、実際はとてもストレスフルなことです。
特に後者のストレスは、ミスが許されないオリンピックという舞台では計り知れないほど大きいはず。程度の違いは様々ですが、同じような経験がある人は多いのではないでしょうか。
そのようなストレスがかかる中で完璧な演技を実施できたこと。
ライサチェクのショートはその点が最高に魅力的だと思います。
大舞台で選手が最高のパフォーマンスを披露すること
僕たちがスポーツを見てしまうのはこれなんでしょうね。
ライサチェクはフリーでもほぼ完璧な演技をし、見事バンクーバーオリンピック男子フィギュアスケートのチャンピオンになります。
時間があればフリーも是非見ていただきたいです。
最後のステップは、フィニッシュ前からすでに喜びがあふれ出ていて、見ているこっちまでとても嬉しい気持ちになれます。
表彰式でのライサチェクの万感の、誇らしげな表情はとてもくるものがありました。
動画元:Men’s Figure Skating – Short Program Full Event – Vancouver 2010 Winter Olympics
動画の向こうのライサチェクに、心の中でスタンディングオベーション(Inside Standing ovation)。