こんにちは。ヤングチャンピオン・カエルです。
外出自粛ムードの中ずっと家にいると変なこと思いつきますよね。
僕も変なことを思いつきました。
「あ、スケートでバク宙やってみたい」
と。
そうなるとスケーターのバク宙動画を見て、家でひたすらイメトレ。
今日はその研究成果をご報告します。
第一章:バク宙をするスケーター
第二章:そもそも陸でのバク宙のやり方
第三章:氷上でバク宙をやる時の注意点
第四章:習得へのステップ例示
という章立てで進めていきます。
※以下、スケートでバク宙したことない人の戯言です。危険ですので真似しないようお願いします。責任は負いかねます。
第一章:バク宙をするスケーター
動画を漁ってみたところバク宙を披露している主なスケーターは、
・スルヤ・ボナリー
・フィリップ・キャンデロロ
・エラジ・バルデ
・ネイサン・チェン
の4人を発見できました。
スルヤ・ボナリー
スケートでバク宙と言ったらボナリー選手。上の動画は多くの人が1度は見たことあるのではないでしょうか。
ちなみにバク宙には、「膝を抱え込む」タイプと「体を伸ばす(=体操用語で”伸身”)」タイプがあるのですが、ボナリー選手のみ伸身タイプでした。より難易度が高いです。しかも片足(左バックイン)で着氷しそのままスパイラル姿勢というおかしい組み合わせ。
画像元:同上
フィリップ・キャンデロロ
渋い三銃士スケーター、キャンデロロ選手もバク宙を披露しています。
個性的かつかっこよくて、大好きな選手。三銃士を見たことない方は今すぐ見て下さい。
エラジ・バルデ
所用で「スケート 筋肉」でググってた時に出会ったエラジ・バルデ選手。
彼との出会いはこの画像。
画圧がすごい。
この真ん中にいる、一人明らかにヤバい奴オーラ出してるのは誰だと思って調べたところ、エラジ・バルデ選手でした。調べたら演技がまた個性的で大好きになりました。
ネイサン・チェン
動画元:https://www.youtube.com/watch?v=w8peY6cpP9I
(下記で一部画像としても利用)
今をときめくネイサン・チェン選手もバク宙を使えます。
ネイサン選手は体操経験があるのでバク宙もさすがです。
高さ、空中姿勢、途中で開いて降りてくる、着氷を予め確認して降りてきてるという点で、
ネイサン・チェン選手のバク宙が圧倒的に一番上手いと思います。
イメトレで一番参考にしたのはこの動画です。
第二章:そもそも陸でのバク宙のやり方
氷上でバク宙をするためには、陸でバク宙ができないと話になりません。
この章ではまず陸でのバク宙のやり方を簡単に解説します。
バク宙の動きは2つ
知らない方からするとどうやっているか全くわからないバク宙ですが、
バク宙は大きく2つの動きに分かれているということさえ知っておけば十分です。
その2つとは、
①後ろに飛ぶ
②足を抱え込んで回転をかける
という動きです。
百聞は一見に如かずなので、この2つを意識して体操界のレジェンド内村航平選手の完璧なバク宙を見てみましょう。
動画元:https://twitter.com/maple_maple555/status/891683394106544128
(下記でも一部画像として利用)
それぞれの動きの詳細を見ていきます。
直立➞両膝曲げる&両腕を引く➞腕を振り上げると同時につま先まで踏切り後ろに跳び上がる➞両足を寄せてきて丸くなる(ここで回転がつく)➞地面を目で確認しながら着地
という流れです。が、今回はシンプルに考えるために上記の2つに大別しました。
①後ろに飛ぶ
氷上を見すえた時にこの「後ろに飛ぶ」段階で1番注意したいのは、
つま先でしっかり踏み切る
ことです。
よくやりがちなミスが、
回転ばかり意識しすぎて上に跳ばず、反り返るだけになってしまい、頭を打つことです。
バク宙だからといって回転するだけに目が行きがちですが、
まずはつま先まで使って上に跳び上がる
という動きがあることは覚えておきましょう。
「回転ばかりに気を取られてはだめ」という点はスケートのジャンプに近いですね。
②足を抱え込んで回転をかける
この動きについても、氷上でやることを考えた時に一番覚えておきたい注意点は、
腹筋をフル活用して足を持ってくる
ことです。
回転をかけるために足を持ってくるのは、ほぼ100%腹筋の仕事です。
腹筋がない人は腹筋を鍛えましょう。
陸上のバク宙の注意点まとめ
改めて、陸上でのバク宙の「動き」と「その時の注意点」をまとめると、
①後ろに飛ぶ
←つま先まで使ってしっかり踏み切る
②足を持ってきて回転をかける
←腹筋をフル活用
氷上でのバク宙を見据えた時、まずこの2点だけはおさえましょう。
第三章:氷上でバク宙をやる時の注意点
第三章では、第二章で紹介した2つの動き(①後ろに飛ぶ、②足を持ってきて回転をかける)を氷上に当てはめます。
①後ろに跳ぶ(氷上ver):ここが最も難しい
前述の通り、①の動き「後ろに跳ぶ」で一番大事なのが「つま先まで使って踏み切る」ことでした。
そして、おそらくここが一番難しいと思います。
だって後ろに飛ぼうとしたらかかとに乗ってツルンと行きそうですよね。
いかにしっかりトウに引っ掛けて跳び上がれるかがカギになります。
②足を抱え込んで回転をかける(氷上ver):足が重い分、より腹筋が必要
氷上でのバク宙も、①の「後ろに跳ぶ」ことができてしまえばそれほど難しくないように思えます。
ただこの②の動き「足を持ってきて回転をかける」のは、氷上では重いスケート靴を履いているのでより強い負荷が腹筋にかかることが予想されます。
腹筋をさらに鍛える必要があるでしょう。
③その他注意点
その他ちょっとしたポイントをまとめます。
<助走>
助走はルッツの入りの人が多いです。なぜフリップではなくルッツなのかは不明です。
また、ジャンプを跳ぶ時は右腕後ろ左腕は前ですが、バク宙をする時は両腕を後ろに引きます。
<トウをつく時>
ジャンプと違い横回転しないので、まっすぐ振り下げまっすぐ突き上げることが大事です。ジャンプをする時は少しトウ先をねじるので、この点ジャンプとは感覚が違うトウの使い方になると想像ます。
<着地>
陸と違い、ちょっとでも回りすぎると着氷でかかとに体重がかかり、盛大に後ろにひっくり返る未来が見えます。「かかとから」「全力で前傾する」「両腕は前」という気持ちで着氷するのが良いかと思います。
第四章:習得へのステップ例示
氷上バク宙を習得するための練習ステップとして、以下のような流れを考えました。
①陸上でバク転、バク宙を習得
②氷上でバク転(補助あり➞なし)
③氷上でバク宙(補助あり➞なし)
詳しく見ていきます。
①陸上でバク転、バク宙を習得
陸上でできないと氷上ではできません。
ここは・・・頑張りましょう。
良さそうな動画を紹介しておきます。
個人的な感覚ですが、バク転はアップライトスピンくらいの難易度な気がします。
②氷上でバク転(補助あり➞なし)
勘の良い方は「なぜ①でバク転を習得する必要があるのか」と思ったかもしれません。
この理由は2つあります。
①バク転のほうが補助がしやすいく危険が少ないから
②氷上バク宙で最も大事な踏み切りの練習になるから
<①バク転のほうが補助がしやすいく危険が少ないから>
下の動画を見て下さい。
陸上でバク宙を練習する際は、通常横に補助者がついて危険な落ち方をしないよう補助します。
ただし氷上バク宙の場合はスピードが出ているため補助するのは難易度が非常に高いです。
一方のバク転は両足&ゆっくり滑ってもできるので補助しやすい、ということです。
最初は”””必ず”””補助者(体操経験者)を付けましょう。
<②氷上バク宙で最も大事な踏み切りの練習になるから>
第2章で書いたとおり、
バク宙では「つま先で踏み切って跳び上がる」ことが最も重要になります。
実はこの点はバク転も同じです。なのでまずは安全なバク転でつま先で後ろに跳び上がる感覚を掴む練習をしましょう。
ポイントはつま先に意識を集中することです。下の動画を見ると膝を曲げている時にトウにエネルギーが集まっている(ように見える)のが分かるでしょうか。
跳ぶ時にかかとに乗るのが一番怖い(=確実にひっくり返って頭を打つ)ので、トウがガリガリなるくらいしっかりトウに体重をかけましょう。
最初は補助ありで練習し、できそうなら補助なしでやってみましょう。陸上と同じです。
③氷上でバク宙(補助あり➞なし)
ここまで来たら、あとは今までの注意点を意識しつつやるだけです。
最初は補助者をつけて(機能するかはわかりませんが)、できそうなら補助なしでやってみましょう。
まとめ
全部妄想なので絶対真似しないで下さい。
しかし、動画のバク宙はなんとオリンピックでの演技中。
ミスが続いていた演技ということで、その中でも自分の個性をなんとかして見せたい、という思いがあったのでしょうか。
そう考えると、あのバク宙も単なるレクリエーション的な意味ではなく、
”覚悟を決めたスケーターの清々しさ”のようなものを感じてなんかいいなあと思いました。
このバク宙については荒川静香さんも言及しています。素敵なので合わせて紹介します
「荒川静香はそのパフォーマンスを『人生で№1のシーン』だと言い、見てて、『あ~やっちゃったーって思った。わ~。カッコいいなと思った。ルールにとらわれて自分らしさを失いたくない。そこで取り入れたのがイナバウアーで、人の記憶に残るスケーターになりたいと強く思った』と語っている。」(wikipedia)