今回は『監査法人1年目の新人会計士シリーズ:持っておきたい心構え4選』と題しまして、
新人の方が業務にあたって持っておくべき考え方を紹介します。
意識という少々抽象的な話ですが、
意識するのとしないとでは1年後にめちゃめちゃ大きな差になるので、ぜひ実践してみてください。
新人心構え
①気になることは絶対先輩に聞く
これがある意味一番大事なことです。
特に始めのうちは、それはもう無限に疑問がわいてきます。
「これ、当たり前のことっぽいし聞くの恥ずかしいな、、、」
と感じる質問もあるでしょう。でも今のうちに聞いてください。
なぜなら先輩も最初のうちは「新人だから知らないのは当たり前だよね」と
快く教えてくれますが、
仮に2,3年目で1年次と同レベルの質問をした場合、
「こいつ大丈夫か、、、?」
となるのは確実でしょう。
というか自分自身でも「3年目になってもこの質問するのはありえないよな、、、」と質問をためらってしまうでしょう。
簡単な質問を当然のようにできる期間はそんなに長くありません。
今は貴重な時間なんだということを肝に銘じて、
最初の一年はとにかく先輩に質問しまくりましょう。
②開示ネット、法令集、記載例を自分で調べる
上で質問することは一番大事と書きましたが、
自分で調べて答えを見つけ出すことも同じくらい大事です。
まあバランスが大事ということで(何にでも言える)。
自分の場合は疑問が出たら質問する前に、
まず自分で少し調べます。
そうすることで質問に多少奥行きが出て、質問の質も上がります。単に、
「Aって何ですか?」
と聞くよりも、
「ほかの調書でAの説明をよんだのですが、説明のこの部分がよく分かりませんでした」
とする方が質問を受ける側も応えやすいですし、
何より”質問の丸投げ感”がないので、先輩も「おっ、こいつは」と思うかもしれません。
そして調べるツールとして、1年目からしっかりと
・開示ネット
・法令集(会社法施行規則、財規等)
・記載例
を見る力をつけておくことをお勧めします。
自分も最初は疑問を全てググって調べていました。
エクセルなどの疑問ならそれで充分なのですが、僕の場合は監査手続についてもググってました。だって規則とか多すぎて探すの面倒くさい。
でもプロとしてはその姿勢ではだめです。
例えば、病院に行って医者に診察を受けに行ったとき、
お医者さんが「20代 男性 のど 赤い」とかググりだしたら、嫌ですよね?
プロフェッショナル感0ですよね。
会計士は、監査及び会計の専門家、プロです。
会計・監査に関する考え方の枠組み自体は規則に網羅されているはずで、
先輩たちもこれらを基本に判断を行っているはずです。
年次が上がるにつれ、会社の人から会計処理等に関する質問を受けることもあるでしょう。
そしてその質問には唯一の答えがなく、判断に寄らざるを得ないこともあるでしょう。
そのような状況で毎回毎回先輩に判断を仰いだり、グーグル先生に頼っていたのでは
いつまでたっても一人前の会計士にはなれません。
将来一人前の会計士になるためにも、今のうちから規則等を調べて自分で考える力を養っていくことが、今後にも役立つでしょう。
③考えながら作業する
特に一年目は、単純な作業を任されることはどうしてもあります。
データ加工だったり、調書整理だったり、コピーだったり・・・
これらの作業はやるだけなら頭空っぽでもできます。むしろそっちの方が早く終わらせられることもあります。
慣れない仕事で疲れてるし眠いし、まあ単純作業だからテキトーにやっても大丈夫かな・・・
という誘惑にかられることもあると思います。
しかし頭空っぽで作業してしまうと
・ミスが出る
・学びがない
という圧倒的デメリットが生じてしまいます。
特にミスが出るのは致命的です。チームに迷惑が掛かりますし、
あなたが作業しない方がよかったということになってしまいます。
どんな業務をしているときも、たとえそれが単純な作業であっても、
考えながらやることが大事です。ミスも減りますので。
考えるというのは具体的に、
・その作業の意味、目的を考える
・監査計画内でどのような位置づけの作業か考える
・こうすれば効率的になるのではと改善策を考える
などなど、いろいろできるはずです。
疲れる気持ちは分かりますが、考えないことはチームのためにも、
そして自分のためにもなりません。
④守秘義務厳守!
最初のうちは会計士として働くのがうれしくて、つい周りの人に業務内容を話してしまいがちです。
本来は往査先の名前を言うことも避けるべきです。
自分も電車で「〇〇(往査先)は~」と話して、先輩に怒られたことが多々あります。
小さいことかもしれませんが、そういったことにまで気を配るという当たり前のことを徹底することがプロ意識をはぐくむのだと思います。
まとめ
いかがだったでしょうか。まとめると、
①気になることは絶対先輩に聞く
②開示ネット、規則、記載例を自分で調べる
③考えながら作業する
④守秘義務厳守
です。
意識の面からレベルアップを図りましょう。