こんにちは。ヤングチャンピオン・カエルです。
スケートの動きの中には、
言われないと正しいと気付けない基本の動き
がたくさんあるように思えます。
フリーレッグは伸ばす、
だったり
下を向かない、
などの「スケート全体に言える」アドバイスはしょっちゅう言われるので矯正しやすいと思いますが、
「特定のシチュエーションでの動き」になると指摘される可能性が減るので、あるべき動きを知らないままになってしまうことがあります。
「膝は曲げる」並の汎用性は無いものの、「この場面ではこう動くのが正解なのか」という動きの存在に気付いて一つ一つ潰していくことが上達の秘訣だと思います。
というわけで、今回はそんな基礎の動きの一つ、
『揃えて、出る』
という動きを解説していきます。
『揃えて、出る』とは
今回身につけたい動きはこれです。
出典元:Patrick CHAN – CDN Nat 12 – Free(以下画像も同じ)
具体的なシチュエーションでよくあるのは、動画のように
チェック(右バックアウト)から左フォアアウトに出る状況。
詳しく解説しましょう。
①右ひざを曲げて右バックアウトで滑った状態から、
②膝を伸ばすと同時に、左足を右足に揃える(ここが超大事)
③その後左膝を曲げながら、右足で押し出す
という動きです。
②の、「滑っている足の膝を伸ばしながら、フリーレッグを寄せる」という点がおろそかになっている人が最初は非常に多いです。
②の画像を見てもらえれば分かりますが、足を替えるときに「きをつけ」の姿勢になっています。
ここを作りたいという話です。
Q.なぜ足を揃えないとならないのか – A.氷を押すため
なぜこの動きをしなければならないのでしょう?
それは、
足を揃えない=離れた位置に足を置くと氷を長く押せないからです。氷を長く押せないことはスピードが出ないことにつながります。
絵で説明すると下の感じです。足を揃えたほうが長く押せるのが分かると思います。
さらに、氷を長く押せないと体重移動させる距離も短くなるので、そのこともスピードが出せない事態に拍車をかけます。
この離れた地点に次の足を置いてしまうことを『ワイドステップ』と言い、百害あって一利もない動きです。
パトリック・チャン選手を見てください。超気持ちよくフォアアウトで滑れてますよね。これを目指したいです。
なぜ『ワイドステップ』になってしまうのか
さて自分を振り返ってみて、
ワイドステップしてませんか???
意識してないとワイドステップはとても起こりやすいミスです。
一つには、膝の曲げ伸ばしが曖昧だとワイドステップになりやすいです。膝を伸ばすことで足を寄せやすくなるので。
上のパトリック・チャン選手の静止画が分かりやすいですが、①の膝を曲げた姿勢、②の膝を伸ばした姿勢、③でまた膝を曲げた姿勢のどれも膝の曲げ伸ばしが非常に明確です。
もう一つはプログラム中で焦ってしまうというのも原因です。
足を寄せるのは少し時間がかかります。プログラム中に焦っていると曲に遅れまいとして、足を寄せることなく次の足、次の足に行ってしまいがちです。
時間がかかるといっても0.5秒くらいです。ワイドステップして氷を押せないほうがよっぽど曲に遅れます。
まとめ
いかがだったでしょうか。
最初のうちはこういった何気ない動きを雑に行いがちですが、こういった些細な部分こそがスピードを出す大事な要素になります。
慣れないうちは意識的に脚を寄せましょう。