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6年間の監査法人勤務で得られたもの

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今年の6月に新卒から6年間勤めた監査法人を退職する。

退職タイミングが早いのか、遅いのかよくわからないが、今まで最大の在籍期間である小学校の6年間と同じだけ在籍したことを考えると、一区切りちゃんと居ることができたと少なくとも自分では納得できている。

何をこの6年間で得られたのか。これを書いていきたい。

こういうことを文章にしっかり書き留めると、他の人の参考になるだけでなく、自分としても得たものを明瞭に捉えることができ、ありがたみが増すというものだ。

 

まず挙げられるのは、「社会人一般常識」だ。
(新卒で入所した場所なので、決して監査法人特有というものではない。新卒の人、初めて転職する人向けである。)

一般常識というよりは、「肌感」といったほうがしっくりくる気がする。
「社会とは、働くとは、基本的にはこういうものか」という肌感が身についた。

肌感というのは個別具体的なものではなく、なんとなく総合的なもの、ひとつのことをやるときにその周縁のものにも思いを及ばせられるようなものといったような感覚をもっている。

例えば「メール」を例に取ってみる。

メールをどのように書くと失礼がないか、ミスなく伝わるか、わかりやすいか、ちゃんと回答を貰えるかや、そもそもメールによるコミュニケーションが適切か、いつ送るのがベストか、また適度に自分のカラーを滲ませる文体バランスなど。一口にメールと言っても色々な側面がある。

こういった細かいコツみたいなものがメールに限らず、「人との話し方」「調べ方」「作業の進め方」「タスクの整理」「チーム運営」などいろんな箇所で現れる。

「社会人一般常識」以外にも、定型業務も身についた。
勤怠をつける、給料をもらう、確定申告、経費申請、アサイン申請・・・
加えて公認会計士として内部統制監査に従事しているため、それらをより深く理解することができる。

 

 

というかなんだろうか。いったんここで手を止めたい。
ここまで書いてみて思ったのは、書いててとても「つまらない」、ということだ。

自分で書いててつまらないと思う文章は、他の人も読んでいてつまらない。
ここは一つ趣向を変えて、なんでつまらないのか考えてみたい。そっちのほうが価値がありそうだ。

書いてて思ったのは、「アタリマエのことだよな」ということである。
「当たり前のことであっても、文章力で面白く読み応えありで書いてやる」といううっすらした気概があったのだが、無理だった。

そもそも上記のようなことは本を読めば無限に書いてある。

本当に価値があるのは外部から仕入れた知識ではなく、自分の体を通した経験である。なのでとにかく飽きるまで動いてみる、経験してみることが大事。これが私の実感であり、言いたいことはこれだけだ。これをくだくだ細分化し、一言コメントのようなものを書き、無駄に間延びさせている感じが嫌だったのだ。

この文章で唯一良かったことが有るとすれば、ちゃんとつまらないことに気づいて、その事自体をテーマに変更した、という点のみである。あやうくクソ文章によって自分の時間も読者の時間も奪うところだった。

最後に、無理やり話を元の軌道につなげて終わりたいと思う。

社会人としての一般常識を学んだと言ったが、一方で今この文章でやってみたような方向転換や、「既定路線で進まない意識」は大事だと思う。

大きな組織でも小さな組織でも、太平洋ど真ん中で船が知らず知らずのうちに進路がずれていくように、なぜか間違った方向にのそーっと進んでしまうことが有る。いや厳密に言うと、間違ったと明言できるほどではないけど、まっさらに考えたらもっと良い方法あるよね、というくらい。こういうときに一声あげられることには意味がある。

そしてこういう「既定路線で進まない意識」は、一般常識を学んでこそできる。常にアウトローを気取ることはできない。常にアウトローでいることと、会社においては説得力や影響力を持つことの両立は基本的には難しい。基本は既定路線を進みつつ、ここぞというタイミングで一言物申し、自ら舵を取る。そういう思いを何処かで持っておくとよいと思う。

 

p.s.
つまらない思いを廃して気合で書ききった、tips的なまとめは下記です。こんなものは箇条書きで十分。新卒の方で意識すべきポイントや、監査法人転職予備軍の方は参考になるかもです。


[メールの書き方]
– 丁寧か
– 分かりやすいか
– 回答を期日までにもらえるように明示してあるか、リマインドしているか
– そもそもメールでのコミュニケーションが適切か(電話やチャットも選択肢)
– 送るタイミングは適切か
– 無視すべきメール、無視して良いメールを適切に無視しているか

[文章の書き方]
– 結論ファーストか
– 論拠は結論をサポートしているか
– その文章のみで理解可能か、判断可能か
– 1文が30字を超える長文になっていないか
– 1文1義か。
– 不要な言葉、要素はないか。
– 適切な構造となっているか
– 引きはあるか、面白いか

[どのチャネルで話すか]
– メールで白黒完全につけるべきレベルのものか
– 電話でふわっと進めたほうが都合のよいものではないか
– チャットでちゃっと済ませるべきものではないか
– 直接会うタイミングで聞けばいいレベルの急ぎではない内容ではないか

[どう物事を進めると早いか]
– どこまで自分で判断を進めておくか
– たたき台をどこまで作成するのが全体として最速か
– 完璧を目指しすぎていないか
– 完成度の高さを目指すことにどこまで価値があるか考えているか
– 完成物は誰がジャッジするのか
– どの上司に聞くか

[タスク]
– タスクの抜け漏れがないような仕組み(ツール利用など)を整えているか
– タスク整理は属人化していないか、誰が見ても明瞭か
– タスク実行のフローが具体的に記載されているか
– 無駄に悩んでいないか

[情報]
– 文書化しているか
– 誰が読んでも明瞭な文章か
– 1年後の自分が読んでも明瞭な文章か、文章構成か
– 誰が見ても明瞭な保管体制か
– 検索可能か

[チーム運営]
– 全員の個性が光っているか
– コミュニケーションを頻繁に取れているか
– リアルで会っているか
– 言いたいことが言えるか
– 相手を思いやるコミュニケーションが取れているか
– 上司を利用できているか
– 過度にタスクを巻き取っていないか
– 各人の仕事スタイルを尊重した指示出しとなっているか
– 仲が悪くないか
– 良い見本がいるか
– 良い見本、魅力的となることを意識してるか
– 上司に意見を言えているか

[社内ルール]
– 勤怠管理等の基本動作をこなせているか
– 社内ルールをどこまで守るか考えているか
– 守らないときのデメリットがどの程度かを理解しているか
– お得情報を見落とさないような仕組みがあるか

[大企業]
– 会社全体としての大きな意思決定がどのように決まっていくか
– 会社全体の現在の動いている方向を理解しているか
– 会社の部門構成を理解しているか
– 人事の悩みを理解しているか
– 経理の悩みを理解しているか
– 総務の悩みを理解しているか
– 部門間、という壁を理解しているか
– 権力者を特定できているか

[会計肌感]
– 論点重要度の軽重を感じ取れるか
– 基準を見て検討する、という動作は身についているか
– 難しい論点、簡単な論点の区別
– 求められる論拠強度がどの程度かの感覚があるか
– 「これは気持ち悪い」「これは自然」感覚
– 内部統制、社内フロー的な視点が身についているか(自分で構築するイメージが湧くか)
– 基本的な基準を理解しているか。
– 理解しきっていない基本的な基準についても、「調べればいける」感覚があるか
– 難しい基準について、質問できる知り合いがいるか。
– くだらない作法をくだらないと思いつつもちゃんと従えるか

[監査肌感]
– このくらい見ればいい、という感覚
– ここの論点の重要性は小さいという感覚
– 理解、リスク評価、リスク対応、重要性アプローチ
– 内部統制、フローノ理解
– 監査基準と社内監査基準の区別はついているか
– 落とし所感覚があるか
– 明確なNoのラインがどこかわかるか
– 監査の限界を理解しているか



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