「かっこいいおじいちゃん」になりたいと、今から考えている。
白髪で、綺麗目なスーツを着て、肌触りの質が良いマフラーをして、冬の道を歩くのだ。
そして週に2回ほど経営する自分のカフェで、常連の客に温かいコーヒーを振る舞う。カフェでは聞こえるか聞こえないかくらいで、ジャズが流れている。
こんな老後の夢を抱いている。
こう思うに至った憧れの人が何人かいる。
一人は田中泯さんという方だ。
どこで存じ上げたかはっきりと覚えていない。
何かの映画を見た時の、ポスターで印象に残った記憶がある。
田中泯さんはダンサーである。まず白髪老爺のダンサーという時点でたまらない。
そしてダンス、田中泯さんの言葉を借りれば「舞踊」への深い想いがある。このインタビューがとてもかっこいい。
そして最近もう一人、推し老爺に出会えた。
松岡正剛さんである。動画で拝見した。
松岡正剛さんは思考の方。日本を代表する知識人である。この動画がカッコ良い。
かっこよさはお姿だけではない。語り方、考え方も含め全てかっこいい。
動画最後の、ニヤッと笑われるシーンも粋だ。
松岡正剛さんの書評サイトである千夜千冊を知った時は、金脈を発見した気持ちだった。
文章も癖ど真ん中に刺さり、2000弱もあるのが果てしなく逆に困ってしまう。
おふたりのどこにこれほど惹かれるのか。
共通点として
・スタイルがいい
・白髪
・人生経験の深さが顔に現れている
・自分の考えに覚悟がある
・ゆっくり考えながらしゃべる
・スーツがかっこいい
・モノトーンが似合う
などか。
挙げるだけでわくわくする。
将来彼らのようになりたい私としては、我が身を振り返って理想に近づけるようにしたい。
根本的には「人生経験の深さ」が足りなそうだ。いつもへらへら生きていてとてもよろしくない。あとはゆっくり喋ることもか。もちろんスーツも全く似合わない。
人生はどうやったら深まっていくのか。本を1万冊読めばいいのか。インドに行けばいいのか。難問だ。そしてそれが顔に、自然と現れるものなのか。
深い人生経験への道のりは果てしなさそうである。