こんにちは。ヤングチャンピオン・カエルです。
今回は「プログラム中で使用頻度が高く、かつ覚えておくと便利な動き」の第三弾です。
第二弾まではコチラ。
【スケート初心者必見】プログラム中で使用頻度が高く、かつ覚えておくと便利な動き②~フォアクロス前ひょうたん~
上手い人にとっては当たり前でも、スケートを始めたばかりの人は知らない動きというのは沢山あります。
「大きく出る」動き
今回の動きはこれです。
動画元:Sota YAMAMOTO – FS – 2019 Challenge Cup – 山本草太 – チャレンジカップ
バックからフォアに出る時のフォアアウトの動きを見てください。
端的に言えばこのフォアアウトを壁に向かって出よう、というのが今回伝えたいことです。
シチュエーションとしてはジャンプ後の一歩目のフォアアウトで頻出します。ジャンプ後の一歩目をイメージしながら読んでください。
なぜ壁に向かって出るのか
壁に向かって出る理由は主に二つあります。
①リンクを大きく使うため
②自然な動きでできる
詳しく見ていきましょう。
①リンクを大きく使うため
最大の理由はリンクを大きく使うためです。
パトリック・チャン選手や小塚崇彦選手といったスケーティングが神がかっている選手の演技を見るとよくわかるのですが、上手い人は「壁に激突するんじゃないか」と思うくらい壁ギリギリを滑っています。
壁ギリギリまで滑れるということは、それだけ一歩で沢山滑れている=スケーティングスキルが高いということを意味します。
滑っている専有面積の広さはそれだけでスケーティングスキルの巧拙を伝えてします。例えば、最初のうちは下左の画像くらいしか滑れないと思います。そうではなく、下右の画像くらい大きく滑れるようにしましょう。
【ダメな例】 【パトリック・チャンら】
やりがちな動き:横に出る
ジャンプ後などは大きく出るために壁に向かって出るのが理想ですが、はじめのうちは壁ではなくとにかく横に出ようとしがちです。
ジャンプ後にフォアに出るところを想像してください。
・全力で顔を左に向けてませんか?
・全力で体を左に回してませんか?
・めちゃめちゃ深い左フォアアウトに乗ろうとしてませんか?
僕もそうだったのですが、横に出てしまう理由として一番大きいのは
「やばい、曲に遅れそうだから早く行かなきゃ!!!」と焦っていることにありました。
この「早く次に行かなきゃ」という義務感はプログラムを滑るにあたって害悪中の害悪です。そう考えてしまうと大きく出る余裕が全くなくなり、下の画像のように最短ルートで次の目的地を目指してしまいがちです。
まとめると、横に出ようとした場合、
①リンクを大きく使えない
②焦っているように見える
③無理に左に回っているからクロス等もかきにくい
という大きな弊害が生じます。
理想はこっちです。
壁に向かって膨らんで出たいです。
大事なことですが、
スケートで最短ルートは通りません。
なぜなら最短は直線であり、基本的にスケートは直線ではなくカーブを描いて進むからです。
改めてお手本
ここで改めてお手本の山本草太選手を見てみましょう。
注目すべきはここですね。
しっかり壁を見て、壁に向かって進んでいます。
顔が左を向いていたり、体が左に回っているということは一切ありません。またエッジについてもそれほど深いエッジに倒れているわけではないことが分かります。
さらにこの一歩をしっかり長く乗っていることも分かると思います。これだけ長く乗って入れば、焦っている印象は全く与えないですね。
具体的な対策
というわけで、「リンクを大きく使う」という目的を達成するためジャンプ後の一歩目では意識したいことは、
①横ではなく顔は壁(前)を見ながら、壁(前)に向かって出る
②体は左に回さない
③エッジを倒しすぎない
④すこし長めに乗る
ということを意識しましょう。①②③によって「リンクを大きく使う」、④によって「焦ってないよ、落ち着いてるよアピール」しましょう。
②自然な動きでできる
壁に向かって出る理由にもう一つ、「自然な動きでできる」というのもあります。①の「大きく出るため」という理由の補足程度ですが、大事です。
壁に向かって出ない、すなわちすぐ横を向いてしまうと、体がいきなり左向きに回転するので不安定な姿勢となります。その後フォアクロスとかが入っていても非常にやりづらいと思います。
壁に向かう場合は、体は左まではいかず前を向くだけなので安定しやすいです。
まとめ
いかがだったでしょうか。
何気ない動きですが知らない場合は、曲に遅れる恐怖から最短距離を行こうとしがちです。
ちょっと遠回りしたからといって曲に遅れることはありません。時間にして0.5秒くらいですし、その後のフォアクロスとかも大きく出たほうがかきやすいので全体で見れば確実にお得です。
最短距離の誘惑に負けず、大きく出ましょう。